発想の転換①
小学校1年生から中学生まで
幅広く担任をしてきました。
担任した子どもは170人余り,関わった子どもは1000人以上になります。
学校で子ども達と関わって、いつも思うのは
子どもほど笑えるものはない!
ある6年生を担任していた時
クラスの男子が脇をこちょこちょくすぐる遊びをしていた。
数人が直立し、1人が順にくすぐっていく。
脇をくすぐられると、けっこう苦しい。
それをめちゃくちゃ楽しそうにやってるのも不思議だったが、
何よりくすぐられている以外の子は、直立してくすぐられるのを大人しく待ってる光景が不思議だった。
クラスのAくんは賢く、勉強を教えるのが得意で、アイデアを出してクラスをまとめるのも上手かった。
みんながAくんを頼りにしていたし、彼もみんなが嫌がる仕事を率先してやってくれていた。
なんでも引き受けてくれて優等生そのもののAくん。
でも実はあんまりやりたくなかったらしい。
そこでAくんが考えたのは、
税金を集めること。
国王は国民のために政治を行う。
国民は国王のために納税する。
国民は国王にくすぐりの税を納める。
国王はくすぐりの税を集める。
休み時間は、納税の時間。
Aくんから始まった納税の時間。
国王はその日その日で活躍したり、率先して片付けしたり、みんなから認められる働きをした子が王様となって税を集めていた。
「先生は天皇です。納税の義務がない代わりに、税金を集めることはできません。」
仲間に入れてほしいって言ってないのにふられた。。。
納税者は日に日に増え、最終的には全員参加。
帰りの会のよいこと見つけを発表する時間を納税の時間にしてはどうかと子ども達から提案され、採用。
帰りの会は納税の時間になった。
「さぁ、納税の時間だ。」
この言葉で始まる納税の時間という名の1日の振り返り会。
楽しかったー!
子ども達も生き生きしていた!
でも時間が長くなっちゃって、クラスの様子を見て回っていた当時の学校長に見つかり、こっぴどく叱られ廃止。
休み時間に戻された納税の時間は自然消滅してしまったけど、子どもの発想には驚かされ笑わせてもらった。
これってまさに!
生きて働く力!
自分が抱えていた心のわだかまりを、社会の授業で学んだ納税で解決する。
教科を越えた学びだよね。
こういう発想の転換と、行動力。
授業じゃないところにも学びは広がる。むしろそっちの方が広がっていく。
子どもの視点や思考を大切に、伸ばして保護していかないと!